~古典へのいざない~
2022年5月上演分
木々の緑が目にまぶしい今日この頃、ご清祥のことと拝察いたします。この度は、「TACHIKI THEATER」へお越し頂き有難うございます。
皆様もご存じの通り、2020年からコロナ感染の拡大により、社会生活に大きな変化が起こりました。感染防止のため数多くのイベントが無くなり、人との結び付きも難しくなりました。
いつもならお稽古の成果を慰問や地域のイベントを通して、多くの方々に観ていただいく事を一つの目標とし、子どもたちはお稽古に励んでおりました。この2年間はお稽古の成果を発表する機会を全て失ってしまいましたが、子どもたちは休むことなくお稽古に通ってくれました。
そこでこの度、子どもたち(子雀隊※)の踊りを映像作品にしてネットを通し多くの方々に観て頂くことにしました。
私も子どもたちも初めての経験なので、どのようなものができるか期待と不安でいっぱいでした。
着付けやヘアーメイク、小道具作りから撮影・編集までお母さまや門弟と私でいたしました。
特に私の撮影や編集技術が未熟故、お見苦しい所数多くあるかと思いますが、一生懸命お稽古を重ね踊ってくれた子どもたちに免じてお許し頂き、最後までご覧いただきますようお願い申し上げます。
最後になりましたが今回の撮影に於いて、ご家族みな様のご協力ご理解を賜りましたこと、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
樹流家元 樹秀榮
※子雀隊:お稽古場に通う小学1年生~6年生で、イベント等に参加している子どもたちのグループ名。
「子雀隊日本舞踊映像作品集」
1,端唄「梅にも春」
新春の風物詩が描かれる中、好きな人を思い待つ女性の気持ちや姿を表現しています
2、長唄「雨の五郎」
江戸時代に大変好まれた「曽我兄弟の仇討ち物語」から生まれた演目です。 曽我兄弟の弟、五郎が春雨の降る中、傘を差して恋人から来た手紙を読んでいる場面を表現しています。傘を使い若い衆と喧嘩をしている場面は力強く迫力があり見ごたえがします。
3、長唄「潮来出島」
茨城県潮来地方の名物である、あやめの花の美しさや、水郷と言われる水路を行き来する船などの風景を表現しています。
4,長唄「藤娘」
日本舞踊をお稽古する女性が一度は踊りたいという人気の演目です。大津絵※に描かれた藤娘が絵から抜け出し「藤の精」となり踊るという趣向です。「藤の精」といっても子供ではなく、恋愛も経験してきた大人の女性のおどりです。それ故、艶やかに表現するところも多くあります。
※大津絵:江戸時代、滋賀県大津市あたりで旅人相手に土産物として売られていた絵画
5,長唄「手習子」
おませな町娘が、日傘をさして寺子屋※帰りに、のどかな春の景色の中、蝶を追ったりして道草をする様子を表現しています。まだ着物の肩上げもとれない幼い少女が、恋について大人のようにおませに踊るさまが可愛らしく、子どもから大人の女性に人気の作品です。
※寺小屋:江戸時代に寺院で町人の子どもたちに読み書きを教えた所
最後までご覧いただきましてありがとうございます。これからもこのような舞踊映像作品を制作発表していきたいと考えております。今後の励みにもなりますので、今回ご覧になられた感想など頂けましたら幸いです。
<お願い>今回掲載されている映像の著作権は樹流にございます。出演者のプライバシー保護のためにも無断転載はなさらないようにお願いいたします。
「「舞踊映像作品集」2022其① 」への1件の返信
丁寧にまっすぐに踊りに向き合う子どもたちの姿に感動しました。お着物も小道具も美しいです。また、映像が綺麗で驚きました。
舞台を観に行く機会が減ったのでとても
嬉しかったです。